「五日物語 3つの王国と3人の女」

「五日物語 3つの王国と3人の女」

監督:マッテオ・ガローネ

出演:サルマ・ハエック、ヴァンサン・カッセル ほか

イタリア・フランス合作


なかなか面白かった。

簡単に言うとファンタジーと言うよりおとぎ話。イタリアで400年前に書かれたものらしく「シンデレラ」や「白雪姫」の原型となった物語を含み、またグリム兄弟にも影響を与えたという50話からなる「パンタメローネ(五日物語)」から選んだ3つのストーリーをオムニバスとして構成。400年たっても変わらぬ女の性(さが)を描く3編。

映画のキャッチコピーである「ママが絶対に読んでくれなかった物語」で想像つく通り、後味が悪く毒がたっぷりなダークな作品。

ハリーポッターのようなエンタメ性は皆無で、間違いなく好き嫌いが分かれるこの映画。私は大好き。

サブタイトルに「3つの王国と3人の女」とあるが、厳密には3つの王国と4人の女の話かな…。

1人目は王国の女王。不妊に悩む女王は、魔法使いに救いを請うたところ「海獣の心臓を食べよ」との教えを守り、男の子を懐妊するが、思春期をむかえた我が子への依存が断ち切れずにいた。

2人目は、別の王国の王女。外の世界を知らない王女は、外の世界に出たいため結婚を熱望し、やがてその望みは叶うのだがその相手は…

3・4人目は、城下町でひっそりと暮らす老姉妹。ある時、歌が上手い姉の歌声に王が惚れ、求婚するのだが…

いずれも己の欲望を追い求めた末に代償を払うこととなる。

映像は美しいのに、全体に漂う空気感はハリウッド性のそれとは全く異なっていて、妙に生々しいと言ったらいいだろうか…

何でも世界遺産である古城などで撮影されたらしい。なるほど、CGやセットなど極力使ってないその生の空気なのだろう。

逆にちょっと残念と思える部分もいくつか...多数登場するクリーチャーのシーンと少しだけあるアクションシーン。予算の関係でリアリティとダイナミズムが不足した感が。

あと、舞台はおおかた王宮内だが、それだけに城下町での民衆の様子がもっと感じられるカットがあるとリアリティが増してよかったな。贅沢だけど。


とはいえ、美しい映像と独特な(異様な)空気感が見応えたっぷりな映画。


満足度★★★★☆(4.0)

Kawamoto Sunrise

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